こんにちは。京都のエール神経リハビリセンター、作業療法士の里見です。
本日は脳梗塞・脳出血の後遺症として多い「手指麻痺のリハビリについて」お話していきます。
当センターでは、脳梗塞や脳出血後遺症の方のご利用が多いです。中でも手指の麻痺でお困りの方が大半を占めていることもあり、手指リハビリを多く提供しております。
脳梗塞・脳出血後の手指麻痺のリハビリについて
手指麻痺は、日常生活に大きな影響を及ぼします。その回復過程は、以下のような段階を経て進行します。まず、力が全く入らない状態から始まり、次第に握る力が増す(痙性の出現)、その後、入った力を緩められるようになり、自分の意志で指を伸ばせるようになります。最終的には、部分的に指を動かせる段階へと進みます。
これらの動きを獲得するためには、適切なリハビリが欠かせません。例えば、手指で物を軽く握ったり離したりする動作ができるようになると、日常生活での使用が可能になります。そのためには、適切なタイミングで適度な負荷をかけながら、頻繁に手指を使用することが重要です。また、補助具を活用しながらリハビリを進めることで、生活場面への応用(般化)を促進することができます。
主なリハビリ内容
- 課題指向型トレーニング(CI療法):
日常生活での具体的な動作を目標に設定し、それに向けて動作を細分化し取り組む内容です。歯を磨くであれば、細い物を握る、握りを維持しながら口元へ運ぶなど、動作を分析し麻痺の状況とその活動に合わせた動作練習を行います。麻痺手の使用頻度を高め、機能の改善を促進します。活動はより具体的にする必要があるため、ADOCというツールを使用して目標を共有します。
- 電気刺激療法:
麻痺した筋肉に電気刺激を与えることで筋肉の収縮を促し、筋力の強化と神経の再教育が期待されます。当センターではエスパージを使用しております。
低周波についての詳細はこちらから「低周波治療器気<ESPURGE>の導入」
- 感覚統合訓練:主に視覚、触覚、前庭感覚(バランス感覚)、および固有受容感覚(身体の位置や動きを感じる感覚)など、さまざまな感覚情報を脳で統合し、適切な反応を生成するプロセスを行い、感覚自体の改善や結果として運動自体にも変化を促します。
- 徒手療法:手指の関節周囲の軟部組織(靭帯や腱)の動きを確保し、筋・筋膜の柔軟性や滑走性を高めるために直接その部位に触れていきます。
- ミラーセラピー: 非麻痺側の手を鏡で反射させ、麻痺手の動きを視覚的に補助する方法です。脳の錯覚を利用し、麻痺手の動きを再学習する手助けをします。
- 筋力トレーニング: 手指の筋力を強化するために行います。指を曲げたり伸ばしたりする運動や、物を握る・離すなど単調な練習を行います。これにより、筋力の回復とともに、神経と筋肉の再教育も図れます。
- 自主トレーニング:基本的な動作練習はもちろん、生活場面での麻痺手の使用方法を提示し、家でも繰り返し使用することで脳の神経経路を再構築することが可能です。例えば、服の袖通しで麻痺側の肘をしっかり伸ばす、麻痺手でドアノブを下げる、非麻痺手を洗う、蛇口ノブの上げ下げなどがあります。その時の身体状況に合わせてご提示します。
リハビリの進行と評価
リハビリが進むにつれ、できる動作は増えていきます。これらの動作を日常生活の場面でどのように活かすかを提示し、それを実施することで、より効果的かつ効率的に改善を図ることができます。身体の状況に応じた適切なタイミングと負荷量の調整は非常に重要であり、誤った調整を行うと麻痺手を使用する気力が失われたり、代償動作が出現したりすることがあります。これにより、改善への道のりが遠回りになってしまうこともあります。そのため、リハビリ専門スタッフによる評価を基に、麻痺の状態に適したリハビリ内容を選定する必要があります。専門的な評価と分析を行い、リハビリを実施することが望ましいです。
リハビリは、発症後の初期段階から始めることが重要です。特に、発症後の最初の3ヶ月は回復が最も顕著に見られる時期であり、この期間に積極的にリハビリを行うことが推奨されます。しかし、発症から数年経過してもリハビリを行うことで改善が見られる事例も多く、継続的なリハビリの重要性が強調されています。麻痺の状態に合わせたリハビリ内容を選定する必要があり、専門的な評価と分析、リハビリを実施することが望ましいです。
改善の可能性
リハビリは、発症後の初期段階から始めることが重要です。特に、発症後の最初の3ヶ月は回復が最も顕著に見られる時期であり、この期間に積極的にリハビリを行うことが推奨されます。しかし、発症から数年経過してもリハビリを行うことで改善が見られる事例も多く、継続的なリハビリの重要性が強調されています。
脳梗塞後の手指麻痺に対するリハビリは、個々の状況に応じて柔軟に対応することが重要です。リハビリを通じて神経ネットワークの再構築が促進され、麻痺した手の機能が改善する可能性があります。特に、運動を通じて神経細胞同士の新たな繋がりが形成されることが、機能回復の鍵となります。感覚を多く入れる、運動を多く実施する必要があります。
まとめ
脳梗塞後の手指麻痺のリハビリは、多様なアプローチを組み合わせることで効果的に行うことができます。専門的な評価から身体状況に合わせて、課題指向型トレーニングや電気刺激療法、徒手療法などを活用し、リハビリプログラムを実施することが機能回復の鍵となります。手指のリハビリは、足と比べ意識的に取り組む必要があるため、根気強さも必要になります。また、発症から時間が経過しても改善の可能性はあります。
今の自分の状態でも改善の見込みがあるか、身体について気になることがあるなどご相談・体験利用も受け付けております。
京都のリハビリ、エール神経リハビリセンター伏見では、ご利用者様の身体状況に合わせてリハビリを進めていきます。
経験豊富な理学療法士・作業療法士がチームを組みご利用者様の思いを実現できるよう最善を尽くします。ご興味があれば体験に来ていただけると嬉しいです。
また、脳卒中後遺症による麻痺だけではなく、パーキンソン病などの神経性障害や、変形性膝関節症、脊柱管狭窄症などの運動器疾患、慢性疼痛など様々なお身体の悩みに対しても対応させて頂いております。
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