こんにちは。京都のエール神経リハビリセンター、作業療法士の里見です。
前回は肩の構造と特徴、肩を構成する骨、肩の関節と靭帯についてお話しました。
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今回はこの構造物を動かすための筋と腱についてお話しします。
肩を支える筋肉と腱
肩の安定性と動きを支える筋肉は、多く存在しております。特にインナーマッスルである「ローテーターカフ(回旋筋腱板)」と呼ばれる、以下の4つの筋肉は機能としても重要です。
①棘上筋(きょくじょうきん)
腕を横に上げる動作を補助します。
➁棘下筋(きょくかきん)
上腕を外旋させる役割を持ちます。
➂小円筋(しょうえんきん)
棘下筋とともに外旋を担います。
④肩甲下筋(けんこうかきん)
上腕を内旋させる重要な筋肉です。
「プロメテウス解剖学コアアトラス」より
これらの筋肉は、肩甲骨から上腕骨に付着し、骨頭の安定性を保ちながらスムーズな動きを可能にします。
その他に以下の筋肉で構成されています。
・三角筋(さんかくきん)
肩の外側に位置し、上腕を挙げる動作を行います。
「プロメテウス解剖学コアアトラス」より
・大胸筋(だいきょうきん)
上腕の内転、内旋や腕を挙げる動作を行います。
・烏口腕筋(うこうわんきん)
上腕を挙げる、内転、内旋に作用します。
「プロメテウス解剖学コアアトラス」より
・前鋸筋(ぜんきょきん)
肩甲骨を全外側へ引くなどの動作を行います。
・小胸筋(しょうきょうきん)
肩甲骨を引き下げたり、下角ををこう内側へ引く動作を行います。
・鎖骨下筋(さこつかきん)
鎖骨を下へ下げたり、安定性を保っています。
「プロメテウス解剖学コアアトラス」より
・僧帽筋(そうぼうきん)
首から肩甲骨、脊椎中央にかけて広がり、肩甲骨の動きを助けます。
・肩甲挙筋(けんこうきょきん)
肩甲骨を上内側へ引き、下角を内側へ動かすことを行います。
・菱形筋(りょうけいきん)
肩甲骨を上内側へ引いたり、安定させたりします。
「プロメテウス解剖学コアアトラス」より
・広背筋(こうはいきん)、大円筋(だいえんきん)
上腕を引き下げたり、内旋させる役割を果たします。
「プロメテウス解剖学コアアトラス」より
・上腕二頭筋(じょうわんにとうきん)
上腕を挙げる、三角筋が作用していれば上腕骨を外転・内旋に作用します。
「プロメテウス解剖学コアアトラス」より
・上腕三頭筋:長頭(じょうわんさんとうきん:ちょうとう)
上腕の後方挙上と内転に作用します。
「プロメテウス解剖学コアアトラス」より
これらの骨、靭帯と筋肉、腱が協力して、肩関節の動きと安定性を確保しています。肩の健康を維持するためには、これらの構造を理解し、適切なトレーニングやケアを行うことが重要です。
肩の可動域と動き
肩は以下のような多軸的な動きが可能です。
- 屈曲(前方への動き):180°
- 伸展(後方への動き):50°
- 外転(横に広げる動き):180°
- 内転(体側に引き寄せる動き):0°
- 内旋・外旋(腕を回す動き):それぞれ80°と60°
これらの動きは、肩甲上腕関節だけでなく、肩甲胸郭関節や肩鎖関節など複数の関節が連動することで実現します。
肩の構造が持つ重要性
肩は、日常生活の動作(例:物を持ち上げる、腕を回す)やスポーツ動作(例:投球、スイング)において中心的な役割を果たします。しかし、その広い可動域ゆえに、以下のような問題が発生しやすい部位でもあります。
- 腱板損傷:繰り返しの動作や外力による損傷。
- 肩関節脱臼:関節の浅い構造による不安定性。
- 変形性肩関節症:軟骨の摩耗による痛みや可動域制限。
- 五十肩:肩周囲筋・組織のアンバランスによる痛み。
これらの問題を予防・改善するためには、肩の構造を理解し、適切な運動療法やリハビリを行うことが重要です。
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