【パーキンソン病】食事と栄養の重要性

こんにちは。京都のエール神経リハビリセンター、作業療法士の里見です。

 

本日は「パーキンソン病の食事と栄養の重要性」についてお話していきます。

 

パーキンソン病は進行性の神経変性疾患であり、適切な食事と栄養管理は症状の緩和や生活の質(QOL)の向上に重要な役割を果たします。

 

  1. 栄養管理の基本方針

体重維持と低栄養の予防

パーキンソン病患者の約50~65%が体重減少を経験し、低栄養状態に陥るリスクがあります。これは、食欲低下、嗅覚や味覚の障害、嚥下困難、消化管運動の低下、不随意運動によるエネルギー消費増加などが原因です。

適切なカロリー摂取を維持するため、1日3食のバランスの取れた食事に加え、間食を活用することが推奨されます。

 

栄養バランスの確保

タンパク質:筋肉量の維持に重要ですが、L-ドパ製剤(レボドパ)の吸収を妨げる可能性があるため、摂取タイミングに注意が必要です(例: 昼食や夕食に多めに摂取)。

 

ビタミンとミネラル: ビタミンD(骨粗鬆症予防)、ビタミンB12、亜鉛(味覚障害予防)、抗酸化物質(神経保護効果)を含む食品を積極的に摂取します。

ミネラルについてはこちら「ミネラルについて

 

食物繊維と水分: 便秘予防のために重要です。野菜、果物、全粒穀物を取り入れ、水分を十分に摂取します。

 

  1. 食事の工夫と注意点

嚥下障害への対応

嚥下困難がある場合、食事を柔らかくしたり、とろみをつけることで飲み込みやすくします。また、誤嚥性肺炎を防ぐため、食事中の姿勢や環境にも配慮します。

 

便秘の改善

食物繊維を多く含む食品(野菜、果物、豆類)や発酵食品(納豆や味噌)を取り入れ、水分摂取を増やします。

 

薬剤との相互作用

L-ドパ製剤はタンパク質やビタミンB6と競合するため、薬の服用時間と食事のタイミングを調整します(例: 薬を空腹時に服用し、食事はその後に摂る)。

 

嗅覚・味覚障害への対応

味付けを工夫し、香辛料やハーブを活用することで食欲を刺激します。

 

 

  1. 推奨される食事スタイル

地中海食やMIND食

地中海食は、魚、オリーブオイル、野菜、果物、ナッツ、全粒穀物を中心とした食事で、神経保護効果が期待されています。

MIND食は、地中海食とDASH食を組み合わせたもので、認知機能の維持にも効果があるとされています。

地中海食について」「MIND食について」「DASH食について

 

抗酸化物質を含む食品

緑茶(カテキン)、ブルーベリー(アントシアニン)、赤ワイン(レスベラトロール)など、抗酸化作用のある食品を取り入れることで、神経細胞の酸化ストレスを軽減する可能性があります。

 

  1. 進行期の栄養管理

サルコペニアと体重減少への対応

進行期には筋肉量の低下(サルコペニア)が顕著になるため、タンパク質やビタミンDを意識的に摂取します。「サルコペニアについて

嚥下障害が進行した場合、経腸栄養や栄養補助食品の利用も検討されます。

 

腸内環境の改善

腸内細菌のバランスを整えるため、発酵食品やプレバイオティクスを含む食品を摂取します。

【腸内環境を整える】プレバイオティクスについて

 

  1. 実践的なアドバイス

食事のタイミング: 症状が軽い時間帯(薬の効果が最大限発揮される「ON状態」)に食事を摂ると、食べやすくなります。

間食の活用: 小分けにして食事回数を増やすことで、必要なカロリーを確保します。

家族や介護者の協力: 食事の準備や摂取をサポートし、患者が食事を楽しめる環境を整えます。

 

まとめ

パーキンソン病患者にとって、適切な栄養管理は症状の緩和や生活の質向上に不可欠です。バランスの取れた食事、嚥下や便秘への対応、薬剤との相互作用を考慮した食事計画を立てることが重要です。また、地中海食や抗酸化物質を含む食品の摂取が神経保護に役立つ可能性が示唆されています。進行期には嚥下障害やサルコペニアへの対応も必要となるため、医療専門家や管理栄養士と連携しながら適切な栄養管理を行いましょう。

 

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