こんにちは。
京都のエール神経リハビリセンター、センター長の米田です。
今回は「下腿三頭筋」について語っていきます。
下腿三頭筋(かたいさんとうきん)は、ふくらはぎを構成する主要な筋肉群であり、腓腹筋(内側頭・外側頭)とヒラメ筋の3つの筋肉から成り立っています。この筋肉群は、足関節の底屈(つま先を下に向ける動き)を担うだけでなく、血液循環にも重要な役割を果たします。
1. 下腿三頭筋の役割と血流への影響
筋ポンプ作用
下腿三頭筋は「第二の心臓」とも呼ばれ、収縮することで静脈を圧迫し、下肢から心臓へ血液を送り返すポンプ作用を担います。この作用は、特に長時間の座位や立位で血流が滞るのを防ぐ重要な役割を果たします。
運動による血流の増加
足関節の底背屈運動や歩行などで下腿三頭筋が収縮すると、膝窩静脈や腓骨静脈などの血流速度が増加します。これにより、血液が効率的に心臓へ戻されることが確認されています。
静脈血流量の変化
下腿三頭筋の収縮は、膝窩静脈の血流量を増加させることが報告されています。適切な運動頻度や回数が血流改善に寄与する可能性が示唆されています。
2. 血流制限トレーニング(BFR)と下腿三頭筋
低強度トレーニングの効果
血流制限(BFR)を伴う低強度トレーニングは、下腿三頭筋の筋肥大や筋タンパク質合成を促進する効果があるとされています。この方法は、従来の高強度トレーニングと同等の効果をもたらす可能性があり、特に高齢者や虚弱な対象者にも適用可能です。
血流制限と電気刺激の併用
血流制限下での電気刺激は、筋タンパク質合成経路を活性化し、筋肥大効果を高めることが確認されています。この方法は、低強度刺激でも効果的であるため、リハビリテーションや筋力維持に有用です。
3. 下腿三頭筋のストレッチと血流
ストレッチによる血流改善
静的ストレッチングは、下腿三頭筋の筋血液量を一時的に減少させるものの、ストレッチ後には血流量が増加することが報告されています。これにより、筋疲労の回復や血行不良の改善が期待されます。
足関節運動の効果
足関節の底背屈運動は、腓腹筋の血行動態を改善し、末梢循環を促進する効果があります。この運動は、循環器疾患の予防やリハビリテーションにも有効です。
4. 長時間不動と血流停滞
筋ポンプ作用の低下
長時間の座位や不動状態では、下腿三頭筋の筋収縮が低下し、筋ポンプ作用が弱まります。その結果、静脈血流が停滞し、浮腫や血栓症のリスクが高まる可能性があります。
対策としての運動療法
足首を上下に動かす簡単な運動やカーフレイズ(つま先立ち運動)は、下腿三頭筋の収縮を促し、血流を改善する効果があります。これらの運動は、血液循環を良好に保つために推奨されています。
5. 下腿三頭筋と全身循環への影響
全身循環の改善
下腿三頭筋の収縮は、下肢の静脈血を心臓に戻すだけでなく、全身の血液循環を改善する効果があります。このため、下腿三頭筋の機能を正常に維持することは、健康維持において非常に重要です。
運動不足の影響
運動不足により下腿三頭筋の筋力が低下すると、血液循環が悪化し、むくみや冷え性などの症状が現れる可能性があります。定期的な運動やストレッチが推奨されます。
6.まとめ
下腿三頭筋は、運動機能だけでなく、血液循環の維持にも重要な役割を果たしています。適切な運動やストレッチ、血流制限トレーニングなどを取り入れることで、下腿三頭筋の機能を高め、血流を改善することが可能です。特に、長時間の不動状態を避け、定期的に筋ポンプ作用を活性化させることが健康維持において重要です。
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