脳卒中・パーキンソン病後のリハビリ:京都の専門家が教えるミラーフィードバック療法

1.ミラーフィードバック療法とは
ミラーフィードバック療法(Mirror Visual Feedback Therapy)は、主に神経リハビリにおいて使用される治療法で、特に顔面神経麻痺や脳卒中後のリハビリに効果的です。この療法は、鏡を用いて患者が健常な側の運動を視覚的に認識し、脳にフィードバックを与えることで、運動機能の回復を促進します。

2.治療のメカニズム
この療法では、患者は鏡を使って健常な側の肢体の動きを見ながら、同様の動きを行います。鏡の反射によって、患者はあたかも麻痺した側の肢体が動いているかのように錯覚し、脳がその動きを認識します。この視覚的フィードバックが、脳の可塑性を利用して運動機能の回復を助けるのです。

3.ミラーフィードバック療法の適用
顔面神経麻痺における応用
顔面神経麻痺の患者に対しては、特に病的共同運動の予防や改善に効果があります。病的共同運動とは、意図しない筋肉の収縮が起こる現象で、患者の日常生活に支障をきたすことがあります。ミラーフィードバック療法を用いることで、これらの不随意運動を抑制し、より対称的な表情筋の動きを促すことが可能です。
治療の実施方法
具体的には、患者は鏡を見ながら、口を動かすなどの運動を行います。この際、鏡を通じて自分の動きを確認し、意識的に動作を行うことが重要です。例えば、「ウー」と唇を尖らせたり、「イー」と歯を見せたりする運動が推奨されます。これにより、筋肉の過大運動を抑制し、運動の対称性を保つことが目指されます。

4.治療の効果と研究
研究結果
最近の研究では、ミラーフィードバック療法が顔面神経麻痺後の病的共同運動の発症を有意に予防できることが示されています。特に、麻痺発症から1年以内にこの療法を開始することで、より良い結果が得られることが確認されています。
併用療法
また、ボツリヌス毒素との併用療法も効果的であるとされ、病的共同運動が発症した場合には、ボツリヌス毒素を用いて一時的に症状を軽減させた後にミラーフィードバック療法を行う方法が提案されています。このアプローチにより、より持続的な改善が期待できます。
ミラーフィードバック療法は、神経リハビリの分野で重要な役割を果たしており、今後もさらなる研究と応用が期待されます。

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