「老年学における遅筋と速筋の違い」について
こんにちは。京都のエール神経リハビリセンター、理学療法士の米田です。
今日は筋肉についての話しをしたいと思います。
筋肉は用途や属性によってさまざまな種類があります。
本日は色の種類です。
1.遅筋と速筋の基本的な違い
筋肉は主に遅筋(赤筋)と速筋(白筋)に分類されます。遅筋は持久力に優れ、酸素を多く含むミオグロビンを多く含むため、赤い色をしています。
魚でいうと「マグロ」です。
マグロは赤身なので赤筋です。常に泳いでいないと呼吸ができない生態であるため、常に泳げるだけ持久力があります。
これに対し、速筋は瞬発力に優れ、収縮速度が速く、白っぽい色をしています。
魚でいうと「タイ」などの白身魚です。
速筋はさらに、IIa、IIx、IIbの3つのタイプに分けられます。
2.加齢による筋肉の変化
加齢に伴い、筋肉の質と量は変化します。特に速筋は、加齢とともに萎縮しやすく、筋線維の数が減少することが知られています。研究によると、加齢により速筋のサイズが小さくなり、遅筋は比較的影響を受けにくいことが示されています。具体的には、加齢により筋肉のサイズは25-35%小さくなり、特に速筋の面積が減少します。
例えば、速筋が減ると俊敏性が失われるため、①急に障害物をよける②倒れそうになった時に一歩足が前にでるなど、危険回避が出来なくなり、転倒しやすくなります。
3.筋肉の質とサルコペニア
サルコペニアは、加齢に伴う筋肉量と筋力の減少を指します。一般的に、30歳を過ぎると筋肉量は減少し始め、特に50歳以降はその減少が顕著になります。速筋の減少は、運動能力や日常生活の質に大きな影響を与えるため、適切な運動や栄養管理が重要です。
4.筋線維の再プログラム化の可能性
私の学生時代に習った内容では遅筋は鍛えることによって増える可能性があるけど、速筋は鍛えることができないとよく言われていました。
しかし、最近の研究では、速筋を誘導する因子が同定され、加齢や病気によって変化した筋線維のタイプを再プログラム化する方法が期待されています。これにより、筋肉の質を改善し、サルコペニアや筋疾患の治療に役立つ可能性があります。
5.まとめ
このように、老年学における遅筋と速筋の理解は、加齢に伴う筋肉の変化や健康維持において重要な要素となります。適切な運動と栄養管理を通じて、筋肉の質を保つことが、老化に伴う筋力低下を防ぐ鍵となります。
エール神経リハビリセンター伏見では、ご利用者様の身体状況に合わせてリハビリを進めていきます。
経験豊富な理学療法士・作業療法士がチームを組みご利用者様の思いを実現できるよう最善を尽くします。ご興味があれば体験に来ていただけると嬉しいです。
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