こんにちは。京都のエール神経リハビリセンター、作業療法士の里見です。
本日は「パーキンソン病の腰痛」についてお話していきます。
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パーキンソン病と腰痛について
パーキンソン病は、運動機能の低下や姿勢異常を特徴とする進行性の神経変性疾患であり、多くの患者が腰痛を含む慢性的な痛みを訴えることがあります。以下に、パーキンソン病における腰痛の原因、特徴、治療法について詳しく解説します。
腰痛の原因
パーキンソン病における腰痛は、以下のような複数の要因が絡み合って発生します。
- 姿勢異常
パーキンソン病患者は、前傾姿勢や「腰曲がり(カンパクトコルミア)」と呼ばれる極端な姿勢異常を呈することが多く、これが腰部に過剰な負担をかける原因となります。
- 筋固縮
筋肉の硬直(筋固縮)は、腰部の筋肉や関節に負担をかけ、慢性的な痛みを引き起こします。
- 運動不足
パーキンソン病の進行に伴い、運動量が減少することで筋力が低下し、腰痛が悪化することがあります。
- 神経系の変化
ドパミンの減少により、脳が痛みを感じやすくなる「中枢性疼痛」が腰痛の一因となる場合もあります。
腰痛の特徴
- 慢性的な痛み
パーキンソン病患者の腰痛は、慢性的で持続的な痛みとして現れることが多いです。特に動作時や姿勢の維持が困難な場合に痛みが増す傾向があります。
- 心理的要因の影響
不安や抑うつといった心理的要因が腰痛を悪化させることが報告されています。
治療と管理方法
パーキンソン病における腰痛の治療は、薬物療法、リハビリ、生活習慣の改善を組み合わせた多角的なアプローチが必要です。
- 薬物療法
- ドパミン補充療法
ドパミン製剤(L-ドパなど)は、運動症状の改善だけでなく、痛みの軽減にも効果を示す場合があります。 - 鎮痛薬や抗うつ薬
慢性的な痛みに対しては、デュロキセチンなどの抗うつ薬が使用されることがあります。ただし、パーキンソン病の薬との相互作用に注意が必要です。
- リハビリ
- 姿勢矯正
前傾姿勢や腰曲がりを改善するためのストレッチや体幹トレーニングが推奨されます。 - 歩行訓練
正しい歩行姿勢を意識し、補助具を活用することで腰部への負担を軽減します。 - 筋力強化
腰部や体幹の筋肉を鍛えることで、痛みの予防や緩和が期待できます。
- その他の治療法
- 脊髄磁気刺激療法(rTSMS)
無侵襲で行える新しい治療法として、腰曲がりや腰痛の改善に効果が期待されています。 - 理学療法や鍼灸
筋肉の緊張を和らげるために、理学療法や鍼灸が補助的に用いられることがあります。
- 生活習慣の改善
- 適度な運動
痛みを恐れて動かないと筋力がさらに低下し、悪循環に陥るため、無理のない範囲で日常的に身体を動かすことが重要です。 - 心理的サポート
不安や抑うつを軽減するために、心理カウンセリングやサポートグループの活用が推奨されます。
まとめ
パーキンソン病における腰痛は、姿勢異常や筋固縮、運動不足などが主な原因となります。治療には、薬物療法やリハビリ、生活習慣の改善を組み合わせたアプローチが効果的です。早期から適切な対策を講じることで、腰痛の緩和や生活の質(QOL)の向上が期待できます
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