ほっておくとやばい?!サルコペニアについて

【サルコペニア】

こんにちは。

京都のエール神経リハビリセンター、センター長の米田です。

 

今回は「サルコペニア」について語っていきます。

サルコペニア(Sarcopenia)は、加齢やその他の要因によって筋肉量や筋力が低下し、身体機能が衰える状態を指します。この言葉は、ギリシャ語の「サルコ(sarx:筋肉)」と「ペニア(penia:減少)」を組み合わせた造語で、「加齢性筋肉減弱現象」とも呼ばれます。

主な特徴

  • 筋肉量の減少:特に骨格筋量が減少します。これは25~30歳頃から始まり、加齢とともに進行します。
  • 筋力の低下:握力や下肢筋力が低下し、日常生活動作に支障をきたします。
  • 身体機能の低下:歩行速度の低下や立ち上がりの困難など、基本的な動作能力が衰えます。

原因

サルコペニアの原因は多岐にわたり、以下のような要因が挙げられます:

  1. 加齢:筋肉の合成能力が低下し、分解が進むため、自然に筋肉量が減少します。
  2. 活動不足:運動量の減少や長期間の不活発な生活が筋肉の減少を加速させます。
  3. 栄養不足:特にタンパク質やビタミンDの不足が筋肉の維持に悪影響を及ぼします。
  4. 疾患:慢性疾患や炎症性疾患、ホルモンバランスの変化が影響します。

症状

サルコペニアの症状には以下が含まれます:

  • 歩行速度の低下(0.8m/秒以下が基準とされる場合もあります)。
  • 握力の低下(男性26~28kg未満、女性18kg未満が目安)。
  • 転倒やつまずきの頻度が増加。
  • 日常生活動作の困難(椅子から立ち上がる、階段を上るなど)。

予防と対策

サルコペニアの予防には、以下のような生活習慣の改善が重要です:

  1. 運動
    • レジスタンス運動(筋力トレーニング)が特に有効とされています。
    • 軽い有酸素運動も併用することで、筋肉の質を向上させる効果が期待できます。
  2. 栄養管理
    • 体重1kgあたり1.0g以上のタンパク質摂取が推奨されます。
    • ビタミンDを含む食品(きのこ類、魚類、卵など)を積極的に摂取することが効果的です。
  3. 生活習慣の見直し
    • 定期的な運動習慣を取り入れ、活動量を増やすことが重要です。

フレイルとの違い

サルコペニアは筋肉量や筋力の低下に焦点を当てた概念ですが、フレイル(虚弱)は身体的、精神的、社会的な要素を含む広範な状態を指します。サルコペニアはフレイルの一因となることが多いです。

まとめ

サルコペニアは加齢に伴う自然な現象ですが、適切な運動や栄養管理によって予防や進行の遅延が可能です。早期の対策を講じることで、健康寿命を延ばし、生活の質を向上させることが期待されます。

 

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