こんにちは。
京都のエール神経リハビリセンター、センター長の米田です。
今回は「短下肢装具」について語っていきます。
短下肢装具(Ankle-Foot Orthosis: AFO)は、主に足関節から下腿部にかけて装着される装具であり、リハビリにおいて重要な役割を果たします。特に脳卒中後の片麻痺や神経筋疾患などによる歩行障害の改善を目的として使用されることが多いです。
- 歩行機能の改善
短下肢装具は、歩行時の足関節や膝関節の動きを補助・制御することで、歩行能力を向上させます。
足関節の安定化: 足関節の底屈や背屈を制御し、立脚期の安定性を確保します。これにより、下垂足(足が持ち上がらない状態)や尖足(足が下向きに固定される状態)を改善します。
膝関節の動きの補助: 足が地面についた時に膝屈曲角度を増加させ、歩行時の衝撃吸収を助けます。
歩行速度の向上: 短下肢装具を使用することで、歩行速度や歩幅が改善されることが報告されています。
- 転倒リスクの軽減と安全性の向上
短下肢装具は、歩行中の転倒リスクを軽減し、安全な歩行を可能にします。
姿勢の安定化: 足部の内反や外反を防ぎ、歩行中のバランスを改善します。
転倒予防: 足先が引っかかることを防ぎ、転倒のリスクを低減します。
- 筋力や関節機能の補助
短下肢装具は、麻痺や筋力低下がある患者に対して、筋力や関節機能を補助する役割を果たします。
筋力の補助: 足関節の底屈や背屈の動きを補助し、歩行時のエネルギー効率を向上させます。
関節拘縮の予防: 足関節や膝関節の適切な位置を維持することで、拘縮(関節が固まる状態)を予防します。
- 日常生活動作(ADL)の向上
短下肢装具の使用により、患者の自立度が向上し、日常生活動作(ADL)の改善が期待されます。
歩行自立度の向上: 短下肢装具を使用することで、歩行の安定性が増し、患者が自立して移動できる可能性が高まります。
生活の質(QOL)の向上: 安全で効率的な歩行が可能になることで、患者の社会参加や活動範囲が広がります。
- リハビリにおける役割
短下肢装具は、リハビリテーションの一環として、患者の身体機能の回復を促進します。
運動学習の促進: 正しい歩行パターンを学習するための補助具として機能します。
身体機能の評価ツール: 装具を使用した歩行分析を通じて、患者の身体機能やリハビリの進捗を評価することができます。
- 短下肢装具の種類と適応
短下肢装具には、患者の状態やリハビリの目的に応じてさまざまな種類があります。
固定型AFO: 足関節を固定し、安定性を重視するタイプ。尖足や内反足の矯正に適しています。
可動型AFO: 足関節の動きを部分的に許容し、自然な歩行をサポートします。
特殊設計AFO: 油圧機構や軽量素材を用いた装具が開発されており、患者の快適性や機能性を向上させています.
- 使用上の注意点
短下肢装具の効果を最大限に引き出すためには、適切な使用とメンテナンスが重要です。
身体への適合性: 装具が身体に適合していない場合、皮膚トラブルや歩行困難を引き起こす可能性があります。
定期的な調整: 身体機能の変化に応じて装具を調整する必要があります。
正しい装着方法: 装具の装着が不適切だと、効果が減少するだけでなく、怪我のリスクが高まります。
まとめ
短下肢装具は、歩行機能の改善、安全性の向上、筋力補助、日常生活動作の向上など、多岐にわたる役割を果たします。リハビリの現場では、患者の身体状態や生活環境に応じた装具の選定と適切な使用が重要です。また、装具の効果を最大限に引き出すためには、定期的な評価と調整が必要です。短下肢装具は、患者の自立と生活の質を向上させるための重要なツールであり、リハビリにおける不可欠な要素といえます。
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